あきない世傳(せいでん)金と銀2 大坂三郷(北組・南組・天満組)

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大坂三郷と呼ばれた江戸時代の大坂

北組・南組・天満組の大坂三郷

NHKBS時代劇「あきない世傳(せいでん)金と銀2」は、大坂の呉服屋・五鈴屋を舞台とした物語です。そのため江戸時代の大坂市中がドラマの中で描かれます。

現代の大阪市は大阪府の県庁所在地であり21の区で構成されています。しかし江戸時代の大坂市中は、大阪市よりも規模は小さく、北組・南組・天満組という「大坂三郷」で市中を構成していました。

最初にできた北組と南組

大坂三郷のうち最初に市中を構成したのは、北組と南組です。北組は北は土佐堀川、西は西横堀川、東は東横堀川、南は本町通に囲まれた地域で、南組は本町通より南側の地域のことを指します。

この北組と南組を合わせた地域のことを船場(せんば)とも言います。

のちにできた天満組

一方、大坂三郷のうち天満組は大川を境として、天満堀川と淀川に囲まれた地域です。天満組は北組・南組よりも後に栄えた地域であるため、北組・南組がそれぞれ約200の町で構成されていたのに対して、天満組を構成する町は70程度と小規模です。

小説版「あきない世傳(せいでん)金と銀」では大坂天満組の呉服仲間たちは、北組や南組の呉服仲間たちに何かと気後れしている様子が描かれています。

あきない世傳(せいでん)金と銀に登場する場所

大坂三郷の略地図

小説版「あきない世傳(せいでん)金と銀」の(五)転流篇と「大塩平八郎の乱 幕府を震撼させた武装蜂起の真相」、さらに現代の大阪市内の地図を参考にしながら、江戸時代中期の大坂三郷の略地図を作成しました。

ドラマ「あきない世傳(せいでん)金と銀2」を視聴する時の参考にしてください。地図上の赤い四角形の箇所は物語に登場する場所で、黒い四角形の箇所は物語には登場しませんが、歴史的に実在した重要な場所です。

五鈴屋(本店)

「あきない世傳(せいでん)金と銀2」の主人公・幸(小芝風花)が、9才の時に奉公に上がり、14才の時に「ご寮さん」として引き上げられた呉服屋。住所は天満菅原町

桔梗屋(のちの五鈴屋高島店)

五鈴屋の同業者でのちに五鈴屋が買収して、支店となる店。住所は天満高島町

治兵衛宅

五鈴屋の前の番頭別家となっている治兵衛(舘ひろし)の自宅。幸は商いの相談事をするために、たびたび治兵衛の自宅を訪れます。住所は天満越後町。

天満天神社

菅原道真を祀り、地元の人の信仰を集めている神社。

連福寺(れんぷくじ)

五鈴屋の菩提寺。五鈴屋の創業者である初代徳兵衛から四代目徳兵衛(渡辺大)まで、先祖代々の霊が眠っています。

会所

天満組呉服仲間の寄合が行われる場所です。女衆に過ぎない幸が四代目徳兵衛の後添えになるために試問をされたり、呉服仲間同士での揉め事をおさめるときなどに使われます。

青物市場

女衆だったときの幸にとって欠かせない場所。小説版「あきない世傳(せいでん)金と銀」からし菜などの葉物野菜、大根などの根菜その他青菜などが集積されている場所。

釣鐘屋敷(時の鐘)

大坂三郷に時間を知らせる鐘がある屋敷。夜は寝てる人を気遣って優しくつかれる。

紅屋

四代目徳兵衛に嫁いで、のちに離縁した菊栄の実家。幸はたまに商売に関して、菊栄がいる紅屋にまで出かけてディスカションをします。

修徳宅

「修徳先生」と呼ばれて五代目徳兵衛(惣次)(加藤シゲアキ)をひいきにしている五鈴屋の上得意客。五代目徳兵衛が失踪した後、幸は六代目徳兵衛(智蔵)(松本怜生)とともに修徳の自宅を訪れ、先代の不義理を詫びます。

筑後座

「お家さん」である富久(高島礼子)と「ご寮さん」である幸が、人形浄瑠璃を見に行った時の小屋。筑後座のあたりが大坂市中の南限と考えられます。

新町廓

「色狂い」と言われた四代目徳兵衛(豊作)が通い詰めた遊郭があった地域。

その他重要な場所

大坂城

江戸幕府直轄の城で城主は代々の徳川将軍。普段は譜代大名から選ばれた大坂城代が城を預かり、近畿地方を中心とした西日本支配の一大拠点。

大坂城代屋敷

大坂城代のための役宅。現在の大阪城西の丸庭園に跡地が残っています。

大坂東町奉行所

幕府の執政たる老中の配下にある遠国奉行の1つで、大坂三郷および河内国・摂津国を支配していました。訴訟の取次は大坂西町奉行所との「月番制」をとっており、「東の御番所」とも呼ばれました。

大坂西町奉行所

幕府の執政たる老中の配下にある遠国奉行の1つで、大坂三郷および河内国・摂津国を支配していました。訴訟の取次は大坂東町奉行所との「月番制」をとっており、「西の御番所」とも呼ばれました。

三井呉服店

江戸の呉服商「越後屋」の支店。高麗橋一丁目に呉服屋と両替商がありました。

鴻池善右衛門邸

両替商の今橋鴻池家の屋敷。「あきない世傳(せいでん)金と銀2」の時代には、鴻池家は両替商でも特に大名貸しに注力しており、「鴻善ひとたび怒れば天下の諸侯色を失う」と言われるほどの豪商であったそうです。

米市場

堂島の米会所のことであり、米の現物取引と先物取引が行われていました。

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