あきない世傳 金と銀2 惣次(加藤シゲアキ)どうなる 井筒屋保晴

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あきない世傳 金と銀2 惣次とは

突如大坂から姿を消した惣次

NHKBS/BSプレミアム4Kで2025年4月6日から放送される「あきない世傳(せいでん)金と銀2」の江戸編に登場する人物として、加藤シゲアキさんが扮する惣次(そうじ)という男性がいます。

惣次は元・五鈴屋店主の五代目徳兵衛で、主人公・幸(小芝風花)の元・夫でもありました。惣次は五鈴屋の江戸出店を焦るあまり、江州波村産の浜羽二重を独占しようと目論見ます。

江州波村に浜羽二重の仕入れ代金を支払うために、大坂の両替商・山崎屋の不渡手形を掴ませて産地の人々を五鈴屋の言いなりにさせようとしますが、逆に計画が見抜かれて五代目当主の座を追われて、1745(延享2)年に銀三貫(600万円)を持って大坂から姿を消すことになります。

惣次の「五鈴屋改革」

惣次による商売の工夫

浜羽二重の一件だけを見ると、惣次は「とんでもない奴」に見えるかもしれません。しかし惣次の商いにかける情熱と知恵には凄まじいものがあります。

五鈴屋を出奔する前の惣次は、商売についてこんな工夫をしていました。

1. 誓文払い

「誓文払い」は惣次が当主になる前の、兄の豊作こと四代目徳兵衛の時に行われた販売方法です。

「誓文払い」とは1年のうち、神無月二十日(11月20日)の1日だけに限り、屋敷売り・見世物売りの商売ではなく店前現銀売りで、販売する反物は全て半値にする商売のことです。

五鈴屋は反物の切り売りにも応じ、誓文払いのために用意した五十反の反物を、1日で全て売り切るという快挙を成し遂げました。

2. 大節季払いから五節季払いへ

五鈴屋の当主が五代目徳兵衛としての惣次の代に代替わりをしたとき、顧客の支払い方法を大節季払いから五節季払いに変更しました。

大節季払いとは客は師走にまとめて1年分の買掛金を支払うことで、五節季払いとは師走に加えて、節句(三月三日・五月五日・盆・九月九日)にも買掛金を支払うことです。

大節季払いにすると販売した反物の代金の他にも、支払いを延ばすための利子も嵩みますが、支払日を5回に分散することで、顧客の利子負担を軽くすることができます。

また五鈴屋はそれまで年1回だけだった現銀の回収が5回に増えることになります。手元資金に余裕ができ、その資金を新しい商売のために活用する機会がで生まれます。

3. 割り当ての設定

惣次は代替わりに際し、支払い方法の変更とともに、番頭手代たちに一人あたり反物八反の「割り当て」を設定します。「割り当て」とは現代風に言うと、「月の売り上げノルマ」という意味です。

惣次の要求は月に八反の売上を達成できない場合は、残りの分は次月に繰り入れられ、合計して達成できない場合は解雇するという厳しいものでした。

この割り当てを発表したときは、番頭の鉄助をはじめとして、手代たちは大いに難色を示します。しかし惣次の目には奉公人たちには反物を工夫して販売する知恵や経験をつけさせれば、月八反という目標は高いものではないと自信がありました。

4. 傘に店名入りの宣伝

惣次の「五鈴屋改革」は何も奉公人たちに向かったものだけではありません。五鈴屋の屋号を知らしめて、少しでも商売が捗るように「天満菅原町 呉服 五鈴屋」という名前を入れ、鈴の紋様が入った切り紙を貼った番傘100本を用意して、顧客に配ることにします。

惣次から井筒屋保晴に

惣次の姿が江戸に

惣次が1745(延享2)年に大坂から姿を消してから6年後の1751(宝暦元)年、惣次は江戸に現れます。

惣次が江戸にいることを直接確認したのは賢吉(佐久間悠)お竹(いしのようこ)です。ただ彼らが見たときは、惣次が何をしているのか分かりません。また惣次の方も五鈴屋が、浅草・田原町で開業準備をしていることを知っているのかどうかも分かりません。

惣次と再会する幸と鉄助

主人公・幸と番頭の鉄助(八嶋智人)が、惣次をはっきり認識して再会したのは、1754(宝暦4)年のことです。「五鈴屋江戸店」が取引をしている両替商・蔵前屋の座敷でのことです。

再会した惣次は三代目井筒屋保晴(さんだいめいづつややすはる)を名乗り、本両替商の当主におさまっていました。

どうやら惣次は五鈴屋を出奔した9年間の間に、江戸に辿り着き、銭両替商に過ぎなかった井筒屋を本両替商になるまでに商売を拡大させたようです。

惣次は五鈴屋に未練はなかった

幸と鉄助の前では五鈴屋にいたときのような大坂訛りの言葉と冷徹さが出るようですが、そのほかの人の前では、大坂訛りの言葉は出ず、性格も極めて温厚になっていて別人に生まれ変わったようです。

何よりも惣次と再会したとき、幸と鉄助は幸の次に五鈴屋の当主を賢輔にしようと決めかかっていた時期でした。ここで五代目徳兵衛であった惣次が、現役復帰を望むと計画が全て無駄になってしまいます。

しかし惣次は五鈴屋に戻る気は全くなく、幸と鉄助は自分たちが思い描いたとおりに跡取りの問題をクリアできると胸を撫で下ろします。

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