あきない世傳 金と銀2 銀一匁 金一両 米一石はいくら?

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あきない世傳 金と銀 シリーズにおける貨幣の価値

銀一匁 = 2,000円 銭一文 = 30円

NHKBS/BSプレミアム4Kで2025年4月6日から放送される「あきない世傳(せいでん)金と銀2」では、頻繁にお金の単位が登場します。中でもよく登場するのが銀貨の単位は「匁(もんめ)」です。

原作小説の「あきない世傳 金と銀」(二)早瀬篇によると、お話全体で銀一匁 = 2,000円というレートを採用しています。江戸時代を通じて、銀一匁はおよそ六十七文程度の価値がありましたので、銭一文は現代の金銭価値に直すと30円という交換比率が成り立ちます。

金貨と銭貨の現代価値

銭一文の価値から江戸時代に通用していた金貨を、現代価値に直すと以下の通りになります。金貨と銭貨の組み合わせは主に江戸で使われていました。

金貨は商人同士または商人・武家間の決済用として、銭貨は庶民が日常の決済をするための貨幣でした。

なお呉服・歌舞伎の観劇料・職人の賃銀など一部のモノやサービスの決済については、江戸でも銀貨が用いられることもあります。

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貨幣金一両との比較現代価値
金一両12万円
金一分金一両の4分の13万円
金一朱金一両の16分の17,500円
銭一文金一両の4000分の130円

銀貨と銭貨の現代価値

銭一文の価値から江戸時代に通用していた銀貨を、現代価値に直すと以下の通りになります。銀貨と銭貨の組み合わせは主に大坂で使われていました。

銀貨は商人同士または商人・武家間の決済用として、銭貨は庶民が日常の決済をするための貨幣でした。

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貨幣銀一貫との比較現代価値
銀一貫200万円
銀一匁銀一貫の1000分の12,000円
銭一文銀一貫の67,000分の130円

変動する三貨の交換レート

こうして見ると金貨・銀貨・銭貨の間には、「金一両 = 銀六十匁 = 銭四千文」と言う交換レートがあったことが分かります。

ただしこの交換レートはあくまでも目安となる公定レートに過ぎません。実際には金貨・銀貨・銭貨の三貨間の交換比率は常に変動しており、時代によっては「金一両 = 六千文」になったりすることもあったようです。

江戸時代は「金安銀高」「銭安銀高」だった

江戸時代は時代が下るにつれ幕府の財政が悪化し、小判に含まれる金の含有比率を下げる政策がしばしば取られてきました。

その一方で日本で流通する銀貨の品位は、世界的に高いとされていました。長崎を拠点とする海外貿易では外国商人からは、銀による決済を求められたため、幕府は銀貨の過剰流出にしばしば悩むことになります。

このように江戸時代を通して日本は「金安銀高」もしくは「銭安銀高」の傾向があり、三貨の実質交換レートもそのたびに変わっていました。

江戸時代は米も「貨幣」だった

江戸時代における米一石の金銭価値

「三貨」と言われるように金貨・銀貨・銭貨が江戸時代における貨幣の役割を担いましたが、広義には米にも貨幣的な側面がありました。なぜなら当時の経済の一翼を担う武士たちの収入は米に基づいていたからです。

米一石は金一両(約12万円)と換算されますが、もちろんその年の米の収穫高によってこの交換レートは大きく変動します。

米の単位換算

一石を小さい単位に換算していくと、一石 = 十斗 = 百升 = 千合となります。

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単位一石との換算
一石
一斗一石の10分の1
一升一石の100分の1
一合一石の1, 000分の1

米を容量と重量に換算

石・斗・升・合を現代の日本で使われている容量と重量の単位に換算すると以下の通りになります。

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単位容量(リットル)重量(キログラム)
一石約180L約150kg
一斗約18L約15kg
一升約1.8L約1.5kg
一合約0.18L約0.15kg

大名の換金方法

大名が各領地で年貢として収められた米はそのままでは貨幣として通用しないため、一旦大坂の蔵屋敷に集積されます。

この米のうち食用として用いない分は、大坂・堂島にある米会所(米の取引市場)などで金貨や銀貨に換金されます。

旗本・御家人の換金方法

江戸時代には徳川将軍に仕える旗本・御家人と呼ばれる武士たちがいました。旗本は知行地があり年貢米を自分で取り立て、御家人の俸禄米は幕府が一括して取り立てています。

ただ旗本・御家人のための米は江戸の蔵前に蔵米として集積されており、札差という商人が彼らの米の保管や換金を担っていました。その換金の流れは以下の通りです。

武士の年貢米や俸禄米が換金される流れ

  1. 武士が幕府から俸禄として蔵米を受け取る権利を得る(ただし、米そのものを直接受け取るわけではない)。
  2. 札差に札(蔵米の受取証)を渡し、貨幣(主に金貨や銭貨)に換えてもらう。
  3. 札差は米市場でその米を売却し、利益を得る。

こうして「江戸時代の代理貨幣」とも言える米は、金貨や銀貨に変わることになります。

ちなみに武士の中には蔵米の受け取り前に前借りをする者もおり、札差との借金関係が発生する武士も多数見られたと言います。

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