あきない世傳 金と銀2 周助(泉澤祐希)桔梗屋番頭

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桔梗屋番頭の周助(しゅうすけ)とは?

桔梗屋孫六は跡取り息子を亡くしていた

NHKBS時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀2」で、大坂の天満高島町にある呉服商・桔梗屋の桔梗屋孫六(吉見一豊)は、五鈴屋の幸と智蔵に店舗・在庫・奉公人・のれんなど商家の経営に必要なものをすべて買い取ってもらいます。

しかし桔梗屋孫六は長男・次男と跡取り息子を相次いで亡くし、しかも自身は卒中風で倒れたため、体を思うように動かせません。

そこで桔梗屋の引き継ぎに活躍するのが、桔梗屋番頭で奉公人の中で筆頭の地位にある周助(しゅうすけ)(泉澤祐希)です。

30才にして年商8億円の営業責任者

周助の年の頃は30才前後で、商家の番頭としてはかなり若い人物です。当時の一般的な商家では奉公人が、10才前後で丁稚として奉公に上がっても、手代を経て営業責任者としての番頭になるのは30才後半からです。

小説版「あきない世傳(せいでん)金と銀」(五)転流篇 では、「桔梗屋」では二代続けて番頭が体調を崩して「別家」となり、若くして周助が番頭として抜擢されたという経緯があります。

と言っても桔梗屋は年間銀四百貫(8億円)を売り上げる中堅の呉服商です。そこの営業責任者に引き上げられた奉公人だけあって機転も利き、大坂商人としての心得を十分にわきまえた人物です。

周助の才覚 帳簿類と間取り図を用意する

大福帳をはじめとした桔梗屋の帳簿類

桔梗屋の周助は五鈴屋が桔梗屋を買収したのちも商いをスムーズに行うために、商いに関す帳簿類を用意します。

  • 買帳(かいちょう): 仕入先ごとに口座を設け、商品の買掛や買掛金の支払状況を記入する帳簿
  • 売帳(うりちょう): 商売で販売した商品やサービスの代金と取引内容を記録する帳簿
  • 判取帳(はんとりちょう): 金銭の支払いをした時に受取人に金額とお名前を記入してもらうための帳簿
  • 金銀出入帳(きんぎんでいりちょう): 現銀(現金)の収入、支出を記録するための帳簿
  • 大福帳(だいふくちょう): 帳簿類をまとめるための帳簿

桔梗屋の間取り図を用意したことからうかがえる周助の人物性

買収される店(桔梗屋)が買収する店(五鈴屋)に対して帳簿を提出することは当然かもしれませんが、周助は帳簿類だけでなく、高島町にある桔梗屋の間取り図も、幸(小芝風花)と智蔵(松本怜生)に提出しています。

周助をはじめとした桔梗屋の奉公人にとって、新しい旦那さん(だんさん)・ご寮さん(ごりょんさん)となる智蔵と幸に桔梗屋の間取りを見てもらって、どちらに住んでもらうか決めてもらうためです。

奉公人たちは自分の店の暖簾に誇りを持って働いてもらものです。いくら元の主が言い出したこととはいえ、新しい主が自分たちの店に入ってもらうことは、なかなか受け入れ難いものです。

周助という桔梗屋番頭は、元の主と思いを汲み取りながら合理的な判断を下せる人物であることがうかがえるエピソードです。

周助は「五鈴屋高島店」の「支配人」に

番頭格の支配人となった周助

最終的に桔梗屋孫六の桔梗屋は屋号を改めることになり、新しく「五鈴屋高島店」に生まれ変わります。

天満菅原町にある「五鈴屋」は「五鈴屋本店」となり、これまで通り幸と智蔵は本店で住まうことになり、高島店の周助は「支配人」という立場になります。

本店には鉄助(八嶋智人)という40才そこそこに達した番頭がいますが、五鈴屋本店の番頭と高島店の支配人は同格の立場ですが、五鈴屋の主人が常駐していないことから、周助にそれらしい「格」を与えたものと思われます。

周助が別家となった場合はどうなる?

では周助が支配人を無事勤め上げ、手元銀が与えられ独立開業をしたあかつきには別家として「五鈴屋」の暖簾が与えられるのでしょうか?

これに関しては明確に「NO」です。しかしそれは周助に別家として独立開業は認められないという意味ではなく、手元銀が与えられ独立開業をしたあかつきには別家として「桔梗屋」の暖簾が与えられるという意味です。

旧「桔梗屋」の奉公人が別家となった場合には「桔梗屋」の暖簾が

五鈴屋が桔梗屋を買収しようとしたときは、智蔵は「桔梗屋」の屋号をそのまま存続させるつもりでした。しかし、桔梗屋孫六はその申し出を断ります。1人の主人に2つの屋号があってはいつまで経っても合併される桔梗屋の奉公人たちは、五鈴屋に向かって奉公をしないと考えたからです。

そこで智蔵と幸は断腸の思いで「桔梗屋」の名前を廃して「五鈴屋高島店」とし、代わりに「桔梗屋」の奉公人たちが「別家」となったあかつきには、「桔梗屋」としてのれん分けすると宣言したのです。

幸と智蔵の計らいを粋に感じた周助は、桔梗屋のときと同じく今度は「五鈴屋高島店」の支配人として忠義に働くことになるのです。

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